協会たより

2013年10月17日 木曜日

平成24年度 地域母子保健指導研修会

日時:平成24年10月22日(月)午後2時~4時
場所:相模原南メディカルセンター 2階大会議室
テーマ:『気になる子への関係機関の支援について』
講師:ワンダートンネル橋本発達相談センター所長
                         臨床心理士  千谷 史子 氏

 平成24年度の地域母子保健指導者研修会は、相模原市が当番市でした。今年度相模原市は発達障害支援センターを開設しており、地域版の母子保健指導者研修会においても発達障害児への支援をテーマに掲げ、地域で活躍なさっているワンダートンネル橋本発達相談センター所長 千谷先生を講師にお迎えし開催しました。
 相模原市を中心に県内各所から83名の参加があり、母子保健指導者の発達障害への関心の高さをうかがい知ることができました。職種は保育士が最も多く、保健師、看護師、ソーシャルワーカー等の専門職の参加がみられました。
 講演は、発達障害児に現れる気になる行動は、氷山の一角でありその背景があることを、擬似体験を交えながらの講義でお話しされました。一人ひとり自分の好きなテンポがあること、現象の見え方・感じ方が違うことを考えることでその子に生じる辛さを知ることを参加者全員で体験しました。
 千谷先生のお話は、パワフルで、お子さんの立場に立った語り口で大変わかりやすく、楽しい参加型の講義から発達障害児の理解につながったと思われます。
 行動の背景を考えることで支援につながる、その子の感情を私たちが寄り添い言葉で表現する、できない高い目標を目指すのではなく、今できていることの一歩上を考える(例えば、友だちぶっちゃいけないではなく、ぶったら謝れる)、ストレス度の高い発達障害のある児の母親を支援することが児の支援につながるという助言が印象的でした。
 質疑応答では、別紙のとおり、保育園でよくある問題を中心に、基本的な発達障害への考え方、特徴、児や保護者に対する対応者のスタンスについてお話しいただき、学びを深めることができました。


<質問>

Q1.いろいろなタイプの園児がいるが、その中にスローテンポな児がいる。(年少児)
   声かけの工夫をしているが、やはり行動はゆっくりである。
   就学に向けての支援はこのままでよいのか。

のんびりの理由は何だろう?
就学に向けて、発達全般の遅れはあるのかどうか気をつけてみる必要あり。
ふりこのように動きはじめると、行動がうまくいく場合がある。「その子のふりこが動き出す」にはどのような支援をしたらよいのか探ってみるとよい。
(保護者に対する支援)
「お着替えでとまってしまうことがあるけれど、○○するとやりはじめるよ。」等、園でできたことを伝えていく。「今、園でやっている支援をそのまま受けやすいのが、学校の支援級。そのためにも就学支援を受けてみたらどうかしら。」等話してみる方法もある。

 Q2.2歳4か月児。かみつきがひどい。保育士がマンツーマンで対応中。
   言葉はあまり出ていない。指さしで要求。手づかみで食べる。保護者も噛みつかれている。
   かみつきの理由と対処方法について、ききたい。

その子の背景はそれぞれである。
じっくりみていると何もないところでかみつくことはなく、何かしら理由がある場合が多い。視野が狭い場合、いきなり人が入ってくると恐怖に感じることがある。「やめてよ」「びっくりした」「こわい」が言えないために自身の防御反応の可能性あり。かみつく時の状況(近くに人がいたか?時間は?天気は?等探ってみるとよい。

 

Q3.3歳児、4歳児、5歳児と同じ部屋で統合保育をしている。
    配慮が必要な子たちがいる中でのクラス運営について。


 
クラスの子たちみんなを褒められるクラスがうまくいっている傾向にある。「Aくんのために、先生のために、ぼくたちはこんなことができる」とできる子も思えるような支援が必要。

 Q4.一時保育室を担当している。幼稚園に入園しようと思ったが、不安でお試しをかねて一時保育を利用する人がいる。児の発達の遅れについて、母にどう伝えればよいのか。また、健診でショックを受けている母への励ましは?
時間もないので、ヒントにとどめるが、何もないかのように過ぎてしまうより、早期にケアされることが講師の願いでもある。
事例として、保育園の園長に遅れを指摘され、そのときは園長と大喧嘩した母であったが、何年かして療育相談に訪れた際、「あの時、園長に言われたからここに相談にくることができたのだと思う。」と話したという。

 

投稿者 神奈川県小児保健協会